こふき本より該当の部分のみを抜粋します(原文はひらがながですが、意味不明な旧漢字はそのままで、他は新漢字に変換します)。

和歌体十四年本(山澤本・三十七)

13、このうをにくにとこたちが入り込んで 夫婦始め人間の種

14、それ故に神名をつけて大神宮 これなる神ハいざなぎの神

22、みい様へ日様心入り込んで 夫婦始め人間なるの

23、苗代に使うたこれで一の神 いざなみの神伊勢でハ外宮

99、産む時の守護下さる神様ハ たいしょくてんこれなる神ハ

100、胎内の縁切る神で法華(?)様 をふとのべへの神様なるハ 

101、産む時に引き出しの神真言で 産み出した後しまい繋ぎハ

102、くにさつち此の神様は禅宗で この三神ハあつけん明王

124、父母と云うのハ天地夫婦や 南無と云うのも同じ事なり

127、身の内の温み一切日様の かりものなるやこれ南無と云う

128、皮繋ぎくにさつちなる神様の かりものなるぞ芯なる骨ハ

129、つきよみのみこと様のかりものや これで阿弥なり飲み食い出入り

130、くもよみのみこと様のかりものや これで五倫と五体と云なり

131、息吹くハかしこね様のかりものや 息で物言う風で吹き分け

132、これこそハなむあみだぶつと六台や つなるかみさまたいしょくてん

133、あとなるのをふとのべえの神様ハ 立毛引き出し百姓神

134、此の神を寄り集まりて御座る故 方位八方許します

135、此の内に東三神女子神 西三神ハ男神なり

136、辰巳いハくにさつち様仏法の 普賢菩薩に達磨弁天

137、戌亥はつきよみの神仏法の 八幡菩薩聖徳太子

138、東ハくもよみの神仏法の 文珠菩薩龍王神農

139、薬師様薬の守護す医者も 書物文字智恵も御守護

140、坤かしこねの神仏法の 大日様に法然様と

141、丑寅はたいしょくてん仏法の 虚空蔵菩薩妙見様に

142、鬼子母神橋詰様と儒来(?)と 縣様とハ同じ方なり

143、西こそハをふとのべ様仏法の 不動明王に弘法大師

146、これ迄ハ医者薬も人間の 修理肥にて拵へありた

 

説話体十四年本(喜多本・四十二)

 亦、南無阿弥陀仏ノ因縁ハ、南無ト言ハ、神道デハ国トコタチ様ニヲモタリ様ヤ。仏法デハ三ツノ弥陀如来、勢至菩薩。亦、阿弥ト言ハ神道ノ国サツチノ尊様ニ月ヨミノ尊。仏法デハ普賢菩薩、八幡大菩薩。又、陀仏トハ、神道デハ雲ヨミノ尊ニカシコネノ尊様。仏法デハ文殊サンニ大日如来ナリ。又、ツナルハタイショクテンノ尊ナリ。是ナルハ、仏法デハ虚空蔵様。外ナルノヲゝトノベエノ尊様ハ、仏法デハ不動明王。

 産ム時ニ、腹ノ中縁ヲ切ルハタイショクテン、引キ出スハヲゝトノベエノ尊様、引キ出シタ後ツナギハ国サツチノ尊様、右三神ハアツケン明王ト言ウ。

 又、木火土金水ト言ノワナ、木ハ月ヨミノ尊、火ハオモタリノ尊、土ハ国トコタチノ尊、金ハ国サツチノ尊、水ハ雲ヨミノ尊、是ハ五輪ン五体ヤ。地神五代トハ阿弥陀仏ツ、コレデ五代ナリ。天神七代トハイザナギ、イザナミト阿弥陀仏ツトコレデ七代ナリ。是言エバ、神仏混淆ト思ウケレド、是ヲ木ニ例ウレバ、枝ハ八本、根ハ一本。唐ヤトテ、珍シ様ニ思ウケド、日本世ノ本、唐ハ枝先。

 

十六年本(桝井本・五)

 南無と云うわ夫婦のことなり。

 くにとこたちの命わ、天にてわ月様なり。この神わ男神にして、(中略)仏法にてわ、釈迦如来と現れ、仏法を授け給ふ。又、先に出でゝ法を始め給ふにて、ぜんじゆう様と云う。

 おもたりの命様わ、天にてわ日輪様、此の神わ女神、(中略)仏法にてわ三尊(?)の弥陀如来、又、心澄んだる理を以て、勢至観音、大き見える故に、寛大とも云う。観音と云うも同じ理なり。

 国さつちの命、この神様わ、天にてわ源助星、女神様わなり。(中略)仏法にてわ普賢菩薩、達磨大師、弁天、結びの神、黄檗山の神の守護なり。

 月よみの命様わ、此の神は、天にては破軍星にて、男神なり。(中略)仏法でわ、八幡様と云う。聖徳太子様、此の神様の御守護なり。

 雲読之命、神様わ、天にてわ朝明神の星となり。(中略)仏法にてわ、文珠菩薩、龍王、神農、薬師如来、水神様。

 かしこねの命、此の神様わ、天にては未申の方に集まる星なり。(中略)仏法にてわ、大日如来、円光大師様、此の神様の守護なり。

 此の六はしらの神様わ南無阿弥陀仏なり。南無と云うは、目、温み。阿弥とわ、皮繋ぎに、芯の骨なり。陀仏とわ、飲み食い出入りに、息の事なり。南無阿弥陀仏と云うは、人間の身の内の事なり。

 おふとのへの命、この神様わ、天にては宵の明神の星なり。(中略)仏法にてわ、不動明王と名を授け給ふ。尚又、弘法大師、役行者、此の神様の御守護なり。故に百姓の神なり。

 たいしょくでんのみことわ、此の神様は、天にてわ艮の方にあつまる星なり。(中略)仏法にてわ、虚空蔵菩薩、妙見菩薩、鬼子母、縣さん、此の神様の守護に同じ事なり。

 伊邪那岐の命、此神、天にて、天の川隔てにして現れある星なり。七夕様と云う。(中略)伊勢の内宮様、天照皇太神宮、此の神なり。

 いざなみの命わ、此の神様わ、天にてわ天の川隔てにしている七夕様と云う星なり。(中略)伊勢の外宮様、天照大神宮様は此神なり。

 天輪王命わ此の十柱の神の総名なり。此の神様わ無い人間拵ゑるに付使た道具なり。此の者を神となして、人間の身の内、此の神様の守護なり。此の外に、何の処つても、(何処を尋ても《補・梶本本22》)身の内より外に神わなし。此の世の神や仏と云うて拝ましていたれとも、皆人間が、紙や金や木をもつて拵えたものばかりなる故に、どうも紙や金や木の中へは神が入り込むことわ出来ずもの、人間には皆神が入り込み、何の守護もする故に、人間に勝れた神かない事なり。

 これ迄世界中に、拝み祈祷や、易判断、医者薬、これわ皆人間の修理肥に教ゑある事なり。


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